気紛れMEMO

※ネタバレ(FGOの最終再臨画像など)一切配慮せず。見たくない人は自衛でよろ(゚▽゚)ノ たまに幻水の小説など投げています。転載禁止。

【幻水2】はた迷惑な借り物競争3【短編】

 フェイレンとシーナの二人がトゥエンを追い走り去っていく背を見送り、ルックは小さく溜め息を吐いた。

(くだらない)

 心の中で呟く。



 くだらない──どれも、これも。


 戦時中にも関わらず、毎日楽しそうに笑っている軍主も。

 お祭り気分でそれを煽るどこぞの放蕩息子も。

 戦いを嫌っているのに、苦しむと解りながら自ら戦いに関わる『元』軍主も──。



 下らない。

 鬱陶しい。

 面倒臭い。



 師の命でもあるし、星に定められた『天間星』としての役目がある。

 関わり合いになりたくなくても関わらざるえない。

 自ら望んだワケではないが、関わらねばならない今。

 こんなものを定めた『運命』に、憤る。

 何より──。










 そんな毎日を悪くないと思う自分がいる。









「…くだらない」

 呟きが、今度は声になった。

 もう一度、溜め息。

 瞑想の為に頭を軽く振り雑念を払う。

 周囲を遮断しようと目を閉じた、瞬間。

 ──どんっ!

「!?」

 背に衝撃。耐えきれず、無様に転倒する。

 自身に掛かる重みに、誰かに押さえつけられていると認識する。

 トゥエンが戻ってきたのか、そう思った瞬間。

「悪い! 借りる!!」

 聞き覚えのある声──確かサスケとか言う、自分とそう変わらぬ年頃の少年忍者。

 声と同時に額からサークレットが抜き取られ、重みが消える。

 ルックの視界には、走り去ろうとするサスケの背中が見えた。



 ――ぷちっ。



 ルックの中で何かが切れた。

「──我が身に宿りし真なる風の紋章よ!!!!!」

 瞬間、ルックは迷わず右手を掲げ魔力を解き放った。

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